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虫歯治療
虫歯について
虫歯の原因となるプラークを取り除くことが大切です
虫歯は、お口の中に存在する細菌が原因で発生します。歯磨きが不十分で磨き残しがあると、プラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊が形成されます。これらの細菌は、食べかすを栄養源として酸を生成し、徐々に歯を溶かしていきます。これが虫歯のメカニズムです。
初期の段階の、歯が少し溶けた状態(脱灰)であれば、唾液の再石灰化作用により、健康な歯質に戻る可能性があります。しかし、脱灰の進行速度が再石灰化作用を上回ると、エナメル質に穴が開いてしまいます。
虫歯になる4つの要因
虫歯は、「細菌・糖質・歯質」の要因が絡み合って発生し、さらに時間の経過によって形成されていきます。
- 細菌
- 虫歯菌が増えると、虫歯になるリスクが高くなります。予防のためには、セルフケアに加えて、歯科医院での定期的なメインテナンスを通じて、お口の中の細菌量をコントロールすることが重要です。
- 糖質
- 虫歯菌は糖を栄養源として増殖し、お口の中に酸を放出します。歯は酸に弱く、簡単に溶けてしまいます。糖質の過剰摂取には注意し、食後は必ず歯磨きをするよう心がけましょう。
- 歯質
- 歯磨きを丁寧に行っても、歯質が弱ければ虫歯のリスクが高くなります。定期的にフッ素塗布を行い、歯質を強化することで、虫歯に負けない強い歯を作ることができます。
- 時間
- 糖分に晒されている時間が長かったり、間食が多くて酸性状態が続いたりすると、虫歯のリスクが高まります。糖分の摂取後は、なるべく早めに歯磨きを行うことが大切です。また、就寝前の歯磨きを怠らないようにしましょう。
虫歯の進行
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①初期段階
初期の小さな虫歯では、白っぽく濁って見えることがあります。
治療法
虫歯菌による影響が少ないため、クリーニングやフッ素塗布などを行い、できるだけ削らずに経過観察を行います。
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②エナメル質の虫歯
歯の表面のエナメル質が溶かされ、虫歯が徐々に進行している状態です。
治療法
多くの場合、虫歯を正確に削り取り、詰め物をします。状況によっては、削らずに定期的なチェックを行うこともあります。
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③神経に近い虫歯
エナメル質の奥の象牙質まで細菌が進行している状態です。象牙質は神経に近いため、食べ物や飲み物の温度刺激により、知覚過敏として歯がしみるようになります。
治療法
基本的には、虫歯を削り取り、詰め物をします。症例によっては、歯を大きく削り、被せ物を装着することもあります。
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④神経に到達した虫歯
歯の神経が虫歯菌に感染し、強烈な痛みを引き起こします。歯の根や先端に膿が溜まっていることもあり、口臭の原因にもなります。
治療法
治療法としては、根管治療を行うのが基本です。細菌に感染した組織を除去・清掃・殺菌し、被せ物を装着します。
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⑤末期の虫歯
歯の大部分が失われている状態です。根の先端に膿が溜まっていると、顎の骨や周囲の歯に悪影響を及ぼし、非常に危険です。
治療法
多くの場合、抜歯を検討します。抜歯後は、部分入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療をご提案します。
当院の虫歯治療について
歯科用ルーペを使用した、
精密な治療
当院の院長は、歯科治療に際して歯科用ルーペを活用しています。歯の表面の微細な凹凸、根管の奥深くの状態、補綴物の適合具合など、肉眼では確認しにくい歯の細部まで拡大して観察しています。歯科用ルーペを用いれば、様々な情報が得られるので、診断の精度が向上し、より緻密で的確な治療が可能となります。
また、歯科医師の目の疲労を軽減する効果も期待できるため、集中力も保たれて、より安全で質の高い治療をご提供可能です。
日本歯科保存学会認定医が在籍
当院の院長は、日本歯科保存学会歯科保存治療の認定医です。できるだけ歯を抜かず、いつまでもご自身の歯で噛めるような治療を大切にしています。
歯は失ってしまうと、元に戻ることはありません。歯を失った場合の治療として、入れ歯やインプラントなどもありますが、審美面・機能面において自然の歯に敵うものはありません。
ご自身の歯をいつまでも健康に維持できるように当院がサポートいたします。
痛みの少ない治療
当院では、患者様に安心して治療を受けていいただける「痛みの少ない治療」を心掛けています。
治療の際は麻酔を行いますが、十分に麻酔が効くためには、時間が必要です。この時間が短いときに、痛みを感じやすくなります。当院では麻酔後、しっかりと時間を置いて麻酔が効いていることを確認して治療を始めます。
また麻酔注射の痛みを抑えるための表面麻酔も導入しています。
当院の医師について
当院の医師は、「Direct Bonding Restoration Hands-on Seminar」を修了しております。
ダイレクトボンディング法は、虫歯の部分のみを慎重に削り、セラミック粒子を含むコンポジットレジン(約80%のセラミックを樹脂で固めた複合材)を使用して歯にしっかり接着し、形状や色を再現する治療法です。この方法は、歯をできるだけ削らずに治療を進める「MI(ミニマルインターベーション)」の考え方に基づいており、患者様の歯の健康を最大限に保ちながら、見た目の美しさも追求する施術です。
根管治療について
根管とは歯髄(しずい)の入っている歯の内部を指し、神経や血管などが通っています。歯髄は栄養や水分を歯に供給しています。虫歯の原因菌が歯髄まで入り込むと、歯がズキズキ痛くなったり顔が腫れたりします。自然治癒することはなく、放っておけば歯の内部や骨が溶けてしまいます。
根管治療とは、歯の内部に入った細菌を除去し、痛みや腫れといった症状を取り除く治療です。根管治療では、虫歯の原因菌が歯髄に達するC3とC4の段階の歯に対して行います。
根管治療の流れ
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①歯の根先に膿がある状態
治療中の痛みを軽減する目的で、まず患部に麻酔を行います。麻酔の効果を確認した後、専用の器具を使って虫歯に侵された部分を除去します。この過程で、感染源である虫歯を取り除くと同時に、根管治療に必要なスペースを確保します。
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②歯髄を除去
歯髄の除去には、ファイルやリーマーと呼ばれる細い器具を使用します。これらの器具は、根管の形状に合わせて柔軟に曲がり、複雑な根管内でも歯髄を確実に除去する効果が期待できます。
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③薬を埋め、根管内を清掃
歯髄を除去した後は、専用の薬剤などを用いて根管内を徹底的に洗浄・消毒するのが基本的な流れです。その後、根管内に抗菌薬を詰めて、仮の蓋をします。数日後、再度根管内を清掃し、薬剤を交換します。
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④クラウン(被せ物)を装着
歯内療法が完了したら、歯を保護するためにクラウン(被せ物)を装着します。神経を除去した歯はもろくなり、破折しやすいため、クラウンを用いて強度を補い、長期的な機能維持を図ります。
当院の医師について
当院の医師は、「H.Ishii Postgraduate Course」を修了しております。
根管治療とは、歯内療法の一環で、歯科医院では一般的に「根の治療」として説明される治療法です。この治療は、虫歯が進行して歯の神経にまで達した場合や、歯の内部に感染が広がった際に行われます。歯の根の中にある感染した神経や組織を取り除き、清潔にした後、消毒・充填を行い、再感染を防ぐことを目的としています。
患者様により良い治療をご提供できるように、根管治療の専門分野を学ぶセミナーを受講および修了しています。
虫歯の早期発見・早期治療によって健康な口腔内を維持しましょう
健康な口腔内を維持するためには、日々の歯磨きとともに、定期的な歯科検診が欠かせません。なぜなら虫歯は、初期段階では自覚症状に乏しいことが多いため、気づいた時には進行しているケースが多いからです。
重度の虫歯になると、治療が複雑になり、治療費用や期間が負担となります。一方、定期検診を継続し、目には見えない小さな虫歯や、隠れた虫歯を発見することができれば、多くの場合、比較的簡単な治療で済みます。また定期検診では、歯石や歯垢の除去、歯磨き指導なども行うので、効果的な虫歯予防に繋がります。